- 提案者: 山根信二(青山学院大学客員研究員)
- 場所: 三重大学(三重県津市)
- 期間: 5月14~15日のいずれか(参加希望者で時間帯を調整します)
- 情報処理学会の教育学習支援情報システム研究グループ(CMS研究会)の前後の空き時間に開催する予定です.
[提案目的]
近年,Moodleプロジェクトにおいて,世界各地で産・官・学・民の連携による研究開発拠点が形成され,それぞれの得意分野でイニシアティブを発揮しています.たとえば,- 大学通信教育をリードしてきたOpen University
- ニュージーランドの産官学ベンチャー,Mahara
- 「Introduction to Moodle Programming」を公開し開発者人材を育成する Humboldt State University / San Francisco State University
一方で,日本国内から国際的なMoodle情報を発信する拠点は存在せず,そのためにMoodleの国内導入が進む一方で,開発戦略(戦略的に投資を集中し,今後のMoodle開発で国際的なイニシアティブを発揮する)や人材育成(継続的にMoodle開発者層を育成する)といった面で欧米に遅れをとっているのが現状です.
eラーニングの国際的な研究開発助成が欧米に集中している理由として,アジアの教育機関は申請する以前の言語的文化的な問題で申請を断念しているのではないかいう問題も考えられます.教育機関が資金を獲得すること,さらに海外の研究資金に応募するためのノウハウも十分に蓄積されていません.
そこで今回,研究発表会の期間中にMoodleの研究開発拠点づくりについてBOF meetingを開き,みなさまの意見をいただき,今後の戦略の叩き台をつくりたいと思います.
議題(案)
- [議題1: Developer Networking]
- 国内のMoodle開発者のネットワーキングをはかります.
- [議題2: Buiding Moodle developers' community in Japan]
- Moodle人材育成には何が必要か? なぜこれまで拠点ができなかったのか?
- [議題3: Submitting Mellon Awards for Technology Collaboration (MATC)]
- 拠点に名乗りをあげる大学やeラーニング人材育成機関を応援する企画として,申請書の書き方(グラントライティング)を討議し,叩き台を作成します.
[拠点校形成に向けて]
上述した海外のMoodle開発拠点のページをみると,共通して「The Andrew W. Mellon Foundation」(メロン財団)がスポンサーになっていることがわかります. メロン財団は慈善団体では最大のオープンソース・フリーソフトウェアの支援資金を運用しており,今年度の募集が5月16日未明に締めきられるところです. そこで,国内で拠点校の申し出があれば,その内容をBOFで議論します. オンライン申請したプロジェクトは公開され、一般の人々からのコメントも受けつけるため、採択までの間に有益なフィードバックを得ることができると考えます.
[メロン財団のプログラム]
メロン財団のプログラムには,Award(すでに出ている成果に与えられる賞金)であるMATCと,Grant(これから出る成果に与えられる賞金)であるRITプログラムがあります.MATCに申請した機関でも,メロン財団が連絡をとってRITの支援を受けたという事例がありますので↓,すでにソースコード公開の実績がある場合はMATCに申し込むのが望ましいと考えられます.
- 米メロン財団が創設2年目の技術賞のノミネート受付を開始 (2007年03月20日)
- 応募要項: http://matc.mellon.org/about-the-award
申請する人,コメントする人は事前にオンライン登録(register)を行ってください
また,これまでのメロン財団助成候補は欧米の教育機関に偏っており,オープンソースソフトウェアの研究開発でアジアの教育機関がノミネートされることには大きな意義があると考えられます.
[申請される教育機関を応援します]
今回募集しているのはMATCは,すでに成果(オープンソースソフトウェア)を出している「教育・非営利」組織のプロジェクトが応募対象となります.また拠点校の研究開発に外部の人間が参加することは禁止されていません.
コメントで検討事項を追記していきますので,興味のある方はオンラインまたは当日の参加をお待ちしております.直前の募集になって申し訳ありませんが、参加者のスケジュールにあわせて時間は調整しますのでよろしくお願い致します。