失語症リハビリのためのe-learning

失語症リハビリのためのe-learning

- Miyoko Yasui の投稿
返信数: 7
獨協大学の安井美代子と申します。理論言語学が専門ですが、英語教育でe-learningも担当しています。この4月からリーブがとれたので、これまでやりたかった失語症リハビリのためe-learningのサイトをmoodleで構築し始めました。

http://www.pictoreole.net/

日本語版、英語版と手探りで進めているのでまだたいした内容はありませんが覗いていただければ幸いです。
エクササイズは外国語学習で有名なHot Potatoesで作っています。

で、今書き込みをしている一番の理由は、文書エディターに新しいフォントを加えると言うことはできるのかということです。
失語症のエクササイズでは文字ではなく絵が単語になり,初めはgif fileなどを使っていましたが、なんと絵文字フォントを作った方がいます。ヨッヘン・グロスという方で、私のサイトでもそのフォントのインストールの仕方(マックのテキストエディットにしか入らないようですが、素晴らしい!)を説明しています。

http://www.pictoreole.net/mod/resource/view.php?id=506

open typeフォントというのだそうで、私は正直よくわかりません。これが使えると、失語症の方への指示文を絵文字でワープロ感覚で入力できるので楽だろうにと考えた次第です。
マックのワードやウィンドウズはどのエディターにも入らないので、無理なのかもしれませんが、ダメもとで書き込みをさせていただきました。


Miyoko Yasui への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Tatsuya Shirai の投稿

 OpenTypeフォントで,TrueTypeFontのようですので,WindowsXPにも導入できそうな感じもしますね.OpenTypeフォントはUnicodeのようですので,HTMLエディタにフォントを追加すれば入力も不可能ではないと思いますが,いかんせん,クライアントのPCにそのフォントが存在しないと画面表示できないでしょうね.

 マックのテキストエディタで作成した文章をPDFで出力して添付するか,画像ファイルとして出力してHTML文書内に埋め込むというのが現実的な手段でしょうか.Macは詳しくないので,PDFでの出力や画像(jpegなど)へ手軽に変換する方法は分かりませんが,きっとWindowsよりも簡単にできるのでしょうね.

 絵文字の入力方法がユニーク,というか,Windowsの世界の私には分からないメカニズムですね.bedと入力するとベッドの絵が出る.Windowsにフォントをインストールしても,どのように入力すれば良いのか...

Tatsuya Shirai への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Haruhiko Okumura の投稿
ごめんなさい,白井先生のすばらしい書き込みに全然着いていけてないのですが,ここだけたまたま出てきてしまいました。

OpenTypeのLigature機能を使うとはグッドアイデアですね!

WindowsでOpenTypeの拡張機能がもし使えるとすればAdobeのソフトの新しいバージョンくらいでしょうか(やってないのでわかりません)。メモ帳やブラウザはきっと絶望的でしょう。

白井先生のおっしゃっているように,PDFにするのが一番でしょうね(MacはOSそのものにPDFの機能があるので変換はどのソフトからでも簡単にできます)。あるいは画像であればフォーラムにインラインに埋め込めます。
Haruhiko Okumura への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Tatsuya Shirai の投稿

 "bed"でベッドの絵文字が出るメカニズムが,なるほど,Ligature機能とはなんだろうと調べてみてピンと来ました.うーむ,すごい.なかなか思い付きませんね.

 「合字(Ligature)を使う」

#PCG(Programmable Character Generator)や外字でグラフィック表示を行う,といった発想に,さらにもう一捻り入っている訳ですね.Moodleのお陰で色々と新しい知識や発想が身に付きますねぇ.

 という訳で,単なるTrueType fontではありませんので,Ligarureの機能に対応したアプリケーション(上の記事を信じるならばMacのOffice2008など)が必要なので,Windowsでもフォントをインストールしただけでは使えませんね.


 これは純粋に個人的な質問です.失語症の方たち,ヒエログリフのような絵文字の文章,e-Learningシステム,教師,この4つがどのような関係になるのでしょうか? Ligature機能で絵文字を入力するのは教師,失語症の方たちは絵文字の文章を読む,ここまでは正しいですか? e-Learningで教授するのは絵文字の文章の読解法?,それともそれ以外の知識を絵文字の文章で学ぶシステムなのでしょうか.
 現在構想中であまり詳しいことはまだ公表できないようでしたら結構です!

Tatsuya Shirai への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Miyoko Yasui の投稿
初めて書き込んだのですが、皆様のお返事が早いのでびっくりです。
マックをお持ちの方は是非bedと打ち込んだ途端、bedの絵がでるシュールな感覚を体験することをおすすめします。インストールは簡単でした。
で、リハビリの構想ですが全然秘密ではありません。むしろ皆様のご意見をお聞きしたいところです。構想とかエクササイズサンプルとかはpictoreole.netにもかなり書き込みました。

最初の段階はPDFでボランティアの方がウェブ上に公開(http://my.reset.jp/~comcom/など)している失語症の教材のe-learningバージョンを作るということでした。PDFにせよ、市販の失語症者用教材にせよ、家族やSTが答えを教えなければ取り組めません。Hot PotatoesやMoodleのクイズでエクササイズを作り、音や絵でのフィードバックをつけてやると、自律学習可能になります。そういう趣旨で、福祉工学関係の研究会で1月に発表もして、おおむねご賛同をえました。アブストラクトが上記のサイトに貼ってあります。

で、最も必要なものが絵文字による辞書です。オフィススローライフ(http://pic-com.jp/)がかなりのものを公開していおり、3万円程度のウィンドウズ版のソフトも販売しています。アメリカにはi-book にソフトを組み込んだ7000ドル(高い!が高機能!)ものも(http://lingraphica.com/)あります。どちらも絵文字を使ったエクササイズと、絵文字を使って患者が画面上でコミュニケーションをとれる機能を備えています。これは画像を線形的に並べると、それに対応する音が出るというようなものです。

私としてはそのウェブ版を作り、無料で失語症の方(初期の重度の方ではなく、自宅にもどり社会復帰を目指すような方を主な対象としています)につかってもらいたいと考えています。ウェブ版にする1つの理由は、学習履歴を残し、病院、リハビリセンターの専門家がそれを閲覧して、アドバイスを送るというような使い方(まさに大学のe-learningでやっているようなことです)を考えています。

で、「Ligature機能で絵文字を入力するのは教師,失語症の方たちは絵文字の文章を読む」というご質問ですが、失語症の方たちも絵文字を打ち込める方法を考えています。現在の絵文字フォントは英語か中国語で入力する必要があるので、失語症でない方も、まずは英語が分からないとつかえません。英語に日本語の対訳をつけ、どの絵文字が表示されるかというPDFを私は既につくりました。これがあれば、英語が全くわからなくても、日本語訳をみて、対応するキーをアルファベットで入力すれば使えます。逆に、失語症の方は、自分が伝えたい内容の絵文字を探して、それに対応するキーを入力する。読み上げ機能というのがこのフォントにも使えればパーフェクトなんですが、それは無理そう?とにかく、上述のPDFとコンピュータ(今のところマックでないとだめのようですが)があれば、オフィススローライフのソフトやLingraphicaが持っている機能がワープロ感覚で実現できます。いらなくなったマック(我が家にもごろごろしている!)を失語症友の会(各地にいっぱいあります)に寄付するとかも考えられます。

PDFを自由にダウンロードさせるようにするには、絵文字フォントの作者のヨッヘン・グロスの承諾が必要です。これからコンタクトをとります。

長くなりました。後は興味を持っていただけるようでしたら、pictoreole.netの方をごらんいただけたらと思います。



Tatsuya Shirai への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Haruhiko Okumura の投稿
> Ligarureの機能に対応したアプリケーション(上の記事を信じるならばMacのOffice2008など)が必要なので,

「メモ帳」に相当するMac OS X標準のテキストエディタ「テキストエディット」ですらligatureに対応していますので,正確に言えば,MicrosoftはOffice 2008でやっと対応したということなのでしょう(Office 2004 for Macで本当に使えないかどうかは未確認)。

WindowsでもAdobeのソフト(InDesignなど)なら使えるのではないかと思います(未確認)。
Haruhiko Okumura への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Tatsuya Shirai の投稿

 ちょこっと検索して調べた感じだと,奥村先生仰るように,Adobe製品ではサポートが進んでいるような感じですね.

http://dynalab.co.jp/dynafont/opentype/06win.html

InDesign, Illunstrator, Photoshop.

 一方,Office2007はどうだろう.ホームページを調べてみたのですが,煽り広告ばかりで,肝心な”仕様”がどこにも見当たらない.

Haruhiko Okumura への返信

Re: 失語症リハビリのためのe-learning

- Miyoko Yasui の投稿
Icon-Fontについて私の書き方が良くなかったと思うので、大もとの readmeを添付し、以下にもペーストします。
技術的に可能かどうかより、失語症の方に広く現実的なレベルで使ってもらえるかという観点で私はかきました。

重要な部分を赤で示します。
ワードで駄目な理由が以下に書いてあります。グロースのHPにはもっと詳しく駄目な理由がかいてあったように記憶します。
マックでもウィンドウズXPでもワードのフォントリストで選べるようにまではなるのですが、bedと打ってもbedのままでした。notpadなどもしかり。
Adobe InDesignは買うと10万円近くかかるのでは。

ワードは多くの人がもっているソフトなのでIcon-Fontが使えれば現実的だと思います。Vistaだとできるかもとグロースは書いていますが、私は持っていないので検証していません。どなたか検証していただけたら有り難いです。

Readme!
The following icon-fonts are part of the "icon-language.com" project. For detailed instructions
how to use the icon-fonts: See the German/English book
"Icon-Typing", Jochen Gros, Norderstedt 2006, ISBN 3-8334-3261-6.
IconLanguage.ttf is replacing typed words by Icons.
IconEnglish.ttf and IconChinese.ttf is illustrating words.
Icon-fonts have cross-platform functionality, but the OpenType programming yet cannot be used in all programs. And, if so, the feature "Discretionary Ligatures" (or "Conditional Ligatures" or "All Ligatures" - depending on the program) has to be turned on.
(For details see Mac/PC)

Mac: Icon-fonts are to be copied as usual into a “Font Library”.
Since OSX 10.4 Tiger, "Discretionary Ligatures" can be set in Text Edit: Text> the toothed wheel on the bottom left > Typography> Ligatures> Rare Ligatures.
InDesign, Quark-XPress, Adobe Photoshop and Illustrator (after CS1) support all OpenType features (but with some minor failures).

Microsoft Word (after version 2000) includes OpenType features, but only uses them in complex font systems such as Arabic.

Mellel is a cheaper alternative to Word. Here, conditional ligatures can be set via: Font View> OpenType> Conditional Ligatures. .
Swift Publisher is recommendable as a cheap layout program. There you set: Format> Font> Ligature> use all.

PC: Icon-fonts are to be installed as usual.
InDesign, Quark-XPress, Adobe Photoshop and Illustrator (after CS1) support all OpenType features (but with some minor failures).

Word (after version 2000) includes OpenType features, but only uses them in complex font systems such as Arabic.

A 30-day trial version of Adobe InDesign CS2 for Windows XP: http://www.adobe.com/
products/indesign. But in fact: It's easier with Macintosh: Since 1.4 Tiger, "Discretionary Ligatures" can be set in Text Edit: Text> the toothed wheel on the bottom left > Typography> Ligatures> Rare Ligatures.
Windows Vista introduced a new graphic engine on the operating system level (WIN-FX). It might support OpenType features, but it's not proved till now, if our OpenType fonts are running.